条件の良い立地を選ぶことは、飲食店を成功させるための大事なポイントです。
一般的に、立地の良し悪しは大きく5つの要素を見ていきます。
◎店舗周辺の人口
◎店舗前や周辺の交通量(朝、昼、夜)
◎利用客の交通手段(徒歩、車、駅地下など)
◎競合他店が周辺にあるか
◎地価(不動産価格)
では、これらの要素をすべて兼ね備えている立地が、一般に言う「良い立地」なのか?
はっきり答えます。
NOです。
重要なのは、そのお店に相応しい立地を探し出すことです。それが成功への近道です。
今回は、立地選びにおけるアドバイスです。
店舗の「商圏」の範囲を知る
お客様を店舗へ集客可能な範囲のことを「商圏」と呼びます。
商圏の広さは、お店が望む来店頻度に関係があります。
例えば、コンビニとブランドショップ、みなさんはどちらの方に頻繁に行きますか?
日用品が気軽に買えるコンビニや商店街の店舗は来店頻度が高いので、お客様からより近くにある方が良いですよね。
逆にブランドショップやデパートは単価が高く、一般の方にとっては来店頻度も高くありません。ですが、ブランドショップやデパートを利用する際はある程度の利用目的があるので、多少距離が離れていても必要であれば行きます。ただし、そんなに頻繁にわざわざ行くことはないと思います。
まとめると、単価が低ければ低いほど来店頻度は高くなる傾向が強く、反対に利用単価が高くなればなるほど利用頻度は落ちるんです。
つまり「商圏」の大きさは人口の規模で置き換えられます。
一定の大きさの商圏で比較すると、人口の多い方が店舗経営にとってはありがたいです。
ただし、すべての業態で大きな商圏が出店条件として必要かというとそうでもありません。前述したように、来店頻度があまり高くない高級業態ではなく、比較的安価で何度でも通えるような業態であればターゲットにする商圏は小さくてもいいんです。
その場合、店舗周辺の環境の方が集客には影響力があります。
店前の通行量、駅から住宅地への通勤・帰宅の動線上にある、利用客の多いスーパーが近い、大きな駐輪場が近くにあるなど、身近な環境に目を向けてみてください。
「一等立地」と「二等立地」
店舗が目標とする売上に対して、家賃がどのくらいの割合を占めるかはお店の生命線に関わってきます。
一等商圏の一等立地は確かに商圏人口も多く、容易に集客できるかもしれません。しかし同時に条件面ではどうしても高くなってしまいます。
せっかく苦労して見つけて契約までこぎつけた店舗物件が、実は家賃があまりに高すぎて、連日満席にしても儲けが出ないなんてことも実際によくあります。
お店をいっぱいにできるギリギリの商圏で、比較的好条件で物件を見つけることができれば理想的です。
そこでお勧めするのが一等商圏内の「二等立地」。
一等立地は立地条件5大要素の中のほぼすべてにおいて申し分ありません。当然ですが、そういった立地は家賃、物件取得費などが高額になります。
そこは少し視点を変えて、一等商圏内でありながら比較的人通りが少なく、わざわざそのお店を目指して来ていただくような立地を検討してみましょう。みなさんも「あの一本裏道に入ったところにある…」飲食店に行ったことはありませんか?それが二等立地です。
二等立地は一等商圏内ながら、メリットがたくさんあります。
◎比較的物件が探しやすい
◎家賃が安い(物件取得までのコスト減=損益分岐点低い)
◎競合が少ない
◎物件によっては視認性が高く、掘り出し物が見つかる可能性がある
☆まとめ
もちろん、二等立地を選ぶデメリットもあります。当然ですが、人通りが少ないことから認知されにくいというリスクがあります。物件を十分に分析しないと出店に失敗する可能性もあります。
そこは同業者や近所の住民の方からの情報を積極的にリサーチしましょう。同時に、プロに相談するのがベストです。